【実話】出逢ったのはフィリピーナ。別れたのもフィリピーナ。

1994年フィリピーナとの出来事を当時の記憶のまま、お伝えして行きます。

今だから話せる事。忘れては行けない事。その教訓が現代に至る事。

14*フィリピーナとの同棲生活

【マイとの生活】

フィリピンパブに通い、惚れてしまったフィリピーナと同棲に至るようになったのは、タイミングやら運やらが影響していたと思う。

まずは素直な幸福感を感じているだけ。それだけで日々の生活が満たされていた。

 

マイは仕事はしていなかったが、フィリピンの家族への仕送りもあるので早く働きたいと言っていた。

前の店<シンフォニック>は色々あった事から戻る気はないらしい。

私もその選択だけは避けて欲しかった。

シンフォニックにはマイを探している男、スドーが関係している。マイが戻ればその情報はヤツに届く筈なので、マイが私と同棲している事は極秘にしていた。

と言うより、私が自らシンフォニックに行く事はなく、シンフォニックからも誘いの連絡は一切来なくなっていたので、もう接点はない。

 

しかし、近所にある事から完全秘密は不可能に近いだろう。

それこそ、マイを一歩も自宅から外に出さないようにするのは、軟禁行為であるしマイも望んではいない。

 

【仕事を探す】

同棲生活がこんなにも資金が必要だと想像もしていなかった。

フィリピンへの仕送りは私には無理な事を伝えていたし、マイも決して要求はして来ない。しかし、それ以外の食事やらその他の出費は積りパンク寸前だった。

 

一番慣れているフィリピンパブとかの夜の仕事は自分の彼女として、あまりして欲しくなかった事もあり、飲食店の皿洗いの仕事等を探し、まずは私が電話をして説明しマイを連れて面接へと段取りしていたが、電話の段階で100%門前払いとなっていた。

それもその筈、見ず知らずの男からフィリピーナを働かしてほしい、と言う突然の要求に素直にOKするなんて、一般的な仕事場ではあり得ない。

 

「あなた様の奥様でしょうか?」

「いや、現在はそういう訳ではないので…もしかして将来的には…」

「う~ん。そうですか…ご本人さんと直接お話しいたいのですが…」

「分かりました、今代わります」

 

「あ、もしもし、初めましてマイです。よろしくお願いします。…え?、はい、はい。…え?、はい、え?え?」

と、なり結局私が話す事に。

「ちょっと日本語の理解力が…今回はお見送りさせて下さい」

言葉の問題以上に、未婚のフィリピーナと言う事で、日本に責任追う存在が居ない事が問題だったのかも知れません。

 

【シンフォニックから連絡】

それは、久しぶりにミサからの連絡でした。

受話器を持ってミサと分かった時、マイへ喋らないで静かにして欲しいゼスチャーをしました。

 

「たまには、おいでよ~。暇なんでしょ?」

「暇じゃないよ。俺だってそれなりに忙しい」

「ふぅ~ん。彼女いるでしょ?」

「別にいたっていいじゃん」

「マイでしょ?駅前で一緒に歩いてるのみたよ」

「…へ?いつ?マイじゃないよ~、マイなんてどこいるか知らないし」

 

この時もの凄く動揺しました。やはり近所だから、バレるのは時間の問題だと思っていたけど、意外と早くに…

 

「まあ、いいけど。アイツには気をつけなよ…、それと店(シンフォニック)は今週で閉める事になったよ」

「なんで?閉める?」

「…まあ色々あってね」

「そっか…ミサには相談に乗ってもらってたし明日にでも飲みいくよ」

「は~い。待ってるから」

 

電話を切った後に、過去にミサからの警告されていた事を思い出しました。

マイの事

ジャンキーとか、フィリピンに旦那がいるとか…

 

でも、その事を直接マイにぶつける勇気は無かったのです。

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(つづく)

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13*フィリピーナ『マイ』と再会し自宅へ

【タクシー】

深夜の駅前ロータリーで待つ事30分、タクシーに乗ったマイが現れました。

深夜料金もプラスされ1万くらい支払ったと思います。

小さな身体で、大きな瞳は紛れもなくマイでした。

 

「マイ、久しぶり!」

「タツ!元気だった~?」

「俺は元気だよ。マイはどうした?急にいなくなってさ」

「色々あったです。今は元気です。荷物多いから一緒にてつだって」

 

タクシー運転手はトランクから大きなキャリーバッグを2つも取り出しました。

 

「え?こんなに荷物が…マイ、一人で長野から運んで来たの?これを運ぶの?」

「そうだよ」

 

坦々と答えるマイに肝心な事を聞いてみました。

「マイ。これからどうするの?」

「タツの家に泊めてほしい」

 

あの日の事は明確に覚えています。

マイは私の家に泊めてほしいから深夜に電話して来た。

でも、それは只単に行く場所が無かったからなのかも知れません。

マイは一方的に惚れてしまったフィリピーナだったけど、その時は彼氏彼女の仲でもなかった。

半年間も音信不通になっていたのにも関わらず、当たり前の様に店の顧客である男の家に泊まりに来る。

アキも同じ様に泊まりに来た事を思い出しました。

それは、人種的な文化?

日本で生き抜くじゃぱゆきの作戦?

 

「あの~、運転手さん。近所だけどこのまま乗せて行ってもらえますか?」

「え~、良いですけど一回メーター切っちゃったからなぁ…」

「それは構わないです。あらたに料金払いますので」

と、荷物を再びトランクへ戻すのを手伝って、マイを連れて自宅に戻りました。

 

どんな理由であれ、好きな女が特別口説いた訳でも無いのに、何の躊躇もしないで自宅に来てくれる事を拒む男なんかいません。

ここで断れば、偽善な行動をした自分に後悔した事でしょう。

 

【マイを自宅へ】

マイはアキの次に私の自宅に入れたフィリピーナでした。

 

緊張してかアキの時より、よそよそしくなっている自分がいて、すっかりくつろぎ状態のマイは、数ある荷物から化粧品やら部屋着とかを出していたので、始めはどうしたものか悩み、コンビニへビールとかサンドウィッチとかを買いに行ってる間に着替えてもらう事にしました。

 

ビール飲みながら朝方まで話しました。

マイを独占しているからシンフォニックで飲んでる時より数100倍楽しかった。

それに会話中、私から込み入った事は一切口にしませんでした。

マイからも出て来ません。

もちろん気になる事は山ほどあるけど、この場の空気が壊れてしまうのが怖かったのです。

 

新聞屋のバイクの音が聞こえてきた頃

 

「マイ。どうする?俺と一緒に住む?」

「タツが良ければ暫く住んで良い?」

「いや、暫くじゃないでしょ?」

「あ~ん。どうしようかな…?」

と、マイはいたずらにニヤニヤしていました。

 

「タツはあたし好きなの?」

と愚問をいいながら、マイは少し力強く私の右頬をつねりました。

その瞬間に全てが解放され、初めから緩んでいたブレーキは完全に歯止めが無くなり。

力いっぱいマイを抱きしめました。

 

「タツ、ちょっとイタイです…」

さっきの仕返し。「Mahal Kita ってタガログ覚えたよ」

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(つづく)

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12*マイからの電話

ローズ家の戦争

真夏で熱帯夜だったのを覚えています。

クーラーフル稼働で、ビール飲みながらテレビの深夜映画観るのが好きでした。

テレビの映画って、これしかやってないから仕方なく見るような感じで、自らその映画をみようなんて思わないものが殆どですが、たまに70年代や60年代の古臭い映画がやってたりすると、思わず見入っちゃう時もあり「あの映画騙されたと思ってみてみ」なんて、ネタ作りに最適でした。

 

確かその日は「ローズ家の戦争」 をやっていました。

この映画もレンタル店には人気作としてありましたが、夫婦間の話なんてあまり興味なくスルーしていた映画です。

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出典:ローズ家の戦争 : 作品情報 - 映画.com

 

(※ネタバレしますよ)

映画での弁護士役『ダニー・デピート』が監督した作品で、ことある事にタバコに火を付ける弁護士につられて自分もタバコに火を付けては、ぼ~と観ていました。

主役『マイケル・ダグラス』と『キャスリーン・ターナー』が恋人から夫婦となり、離婚問題を抱えて行く内容です。

 

 

【電話】

ちょうどクライマックスくらいの時に電話が鳴ったのです。

時間も時間だし、割と大音量に設定していたのでビクっとしました。

ホラー映画じゃなく良かった。

 

「もしもし」

「…」

「あれっ、もしもし?誰?」

イタ電かよっ。

「…タツ。もしもしー」

「ん?だれ?」

「もしもしー、おぼえ てるー?」

「…え?え? マイ?うん、覚えてる」

 

「そうマイです、おぼえ てるー?」

 

電話ボックスからでやたらと声が小さいのですが、声の主は間違いなくマイでした。

イントネーションも「覚えてる?」ではなく「おぼえ ↑・てる ↓」のマイの口調です。

 

「たつ、何してるの?」

「オレ?映画みてる」

「あ~。なにの映画?」

ローズ家の戦争

「なに?」

ローズ家の戦争!」

「ローソク?」

「違う!マイケル・ダグラスとキャスリーンターナーが夫婦の…」

「あ~ん…あっ! ”The War of the Roses”」

「う~ん、…そうかな?…ローズ家の戦争…」

 

マイと会話するのは実に半年ぶりでした。

なのにお互い「久しぶり」も「元気?」も言わない。

私の見ている映画をマイが当てるだけ。

シンフォニック時と変わらない会話。

「おぼえ てるー?」「うん、覚えてる」でこの半年間が全て埋まったような、充実感がありました。

 

【マイの用件】

「マイは今何してる?どこにいるの?」

こんな時間にわざわざ電話して来るのには何か意味があるのだろう。

「あのね、あたしね今、長野から帰ってきて新宿にいるの。でもう電車ないのでしょ?」

「長野?新宿?」

 

ま~、なんとなく半年前から今までのマイの行動が繋がってきた。

「ねぇ、タツ、お金貸して。今からタクシーであなたの駅まで行くから、お金持って迎えにきてください」

言い方は表現力が乏しく強引だけれど、スドーに頼らず私に連絡をしてきた事が何よりも嬉しく、記憶から消え去ったマイの復活こそ至福でした。

とにかく、マイを迎えに行こう。

 

当然の事ながら、以前アキをシンフォニックまで迎えに行った時とは全くモチベーションが違います。

マイがタクシーで到着するまで駅で待つ事さえ苦じゃなかったのですから。

 

ローズ家の戦争 エンディング】

夫婦喧嘩がエスカレートし、何かのきっかけで天井の照明に二人がぶら下がってしまい、重みで照明もろとも二人は落下してしまいます。

息絶えながらも、旦那さんは奥さんの肩に手を掛けますが、奥さんはその手を振り払ってしまうのです。

旦那さんは死ぬまで奥さんを愛していたのでしょうが、奥さんはそれを受け入れずにデッドエンドで終わるのです。

 

何故か後味悪さが感じさせないくらい、見ごたえ十分な映画でした。

(つづく)

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11*フィリピーナとのエピローグ

【エピローグ】

当時23歳だった私は、初めてフィリピンパブ『シンフォニック」へいった時に、小柄でショートカット、瞳の大きなフィリピーナ・マイに惚れてしまった事からこの物語が始まっていました。

 

マイが店を辞め、踏ん切り付けようと気持ちを入れ替えるつもりでしたが、マイを取り巻く周囲の動きや発言に踊らされ続け、二度と逢う可能性が少ないにも関わらず、僅かな『希望』を捨てられないままでした。

マイがどんな男と付き合おうが『絶対に奪ってやる。俺が死守してやる』と言う、ある意味<危険な妄想>も抱いていたのです。

 

仮にマイが店を辞めていなかったとしたら、執拗にマイに接近していた事でしょう。

そして、シンフォニック側はそんな私を『生かさず殺さず』な扱いをしたに違いありません。

 

また、色々な悩み等が募り気持ちが行き詰まると、癌を患った親友<健>のお見舞いに向かっていました。

私的にはお見舞いと言うより遊びに行く感覚で、健も『タツのように無神経なヤツはムカツクけど病気の事忘れるくらいだからマシ』と伝えてきていました。

 

【急展開】

ところがですね、マイが辞めてから丁度半年くらい経った頃だったと思います。

シンフォニックも、マイも、アキも、ミサも、そしてスドーも記憶からなくなりかけてた時でした。

事態は急展開したのです。

 

ここまでの話はただの『エピローグ』でした。

 

何が起こったのかと言いますと、

ある日の深夜、

マイから電話がありました。

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(つづく)

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10*マイとスドー

【ノルマ】
ミサからの情報もありマイの男スドーを確認したく、久しぶりにシンフォニックへ行きました。
粗満席で賑わっていてスドーが誰なのか見当着かない状態。

別に喧嘩売るつもりはないし、一方的に惚れた女の何の面識もない男に、面と向かって用はなく、ただ単に興味本意と、もしかしたらスドーと会話して、マイの事も聞けるかも知れない。

 

聞いてどうなる…?

どうにもならないね。

自問自答を繰り返していました。

 

「お久しぶりで~す」
と、しらじらしく挨拶して横に座ったミサ。
「いいよ。好きなの飲んで」
「金ないんでしょ?一杯だけ頂きます!」
「どうぞ。どうぞ。」

乾杯するとミサはニヤリと笑って
「深追いするなと言っても、あたしもノルマあるからさ、金ない あんたでも呼ばないと苦しいんだよ」
「だろうね。俺もわざわざ出て来てるし、ノルマってどれくらい?」
「そんなの言える訳ないじゃんバカ!…でも、フィリピン人よりかは背負ってる物は無いからラクだけど…」
「フィリピーナって色々あるんだろうな」
「そうだよ。アイツらは生まれた環境が違うんだし、それを受け入れる根性ある男じゃないとダメだよ」

フィリピン人は店のノルマ以上に、祖国家族へのノルマが計り知れないのだろう。

ミサはフィリピーナを嫌っているようだけれど全ては根拠ある言動で、私には常に警告をしている様子でした。

そんな事よりスドーって男はどこだ?

【スドー】
「ミサ、スドーってどの人?」

「アキが付いてる男」

店内をぐる~とアキを探した。
四っつ離れた席にアキはいた。
その横にスドー確認!

銀縁眼鏡の50代くらいのオッサン。だけれど、がたい良く、と言うかデブ…腹が出てる。俺の方が全然若くて良いじゃん。
やたら、チャラチャラしたブレスレッドを2つもしてる。やっぱ金なんだな。

そんな思いが廻り、スドーを『ライバル』として見下していました。

「あ~、あの人?今日はなんで(スドーは)来たの?」
「ボスとも仲良いしアキもスドーからの紹介だし。じゃない?」

ふぅ~ん。

「アキと代わってくるよ。アキがこっちに来てあたしがスドーの所に行くから」
「可能なら…」
「どっちにしろ、そう望んでるんでしょ?あたしがあんたを呼んだ事は内緒だよ」

ミサは察していました。

私がスドーに接近するのはこの場では不自然だし、せめてスドーと面識あり今現在会話をしているアキにはマイの情報が入っている筈だ。
 
【マイとスドー】
「タツ!久しぶりだね!」
と、アキは例のごとくその大きな胸を私の腕にスリスリして来ました。

「アキは元気だったの?」
「元気です~!タツは何してた?他の店いってた?あはは」

いつもの調子のアキへマイの事を聞いてみた。

「マイはどうした?あれから連絡ない?」

アキは私の耳元へ直接話して来ました。

「マイのスドーさん来てるよ。マイはいなくなったんだって。だからスドーさんが探しに来てるよ」
「何で?!じゃぁマイはどこに?」
「スドーさんと喧嘩して出ていって、私は連絡知らないから分からない…」

予期せぬ展開になっていた。
マイの情報が欲しかったのは私だけじゃなかったのでした。
そしてマイは更に遠くへ行ってしまった事を察しました。
 
どこで何やってるんだろう?

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 (つづく)

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09*ミサからの電話

【反省】
「今更マイを探してどうなるの?スドーがいるからどうにもならないよね?フィリピーナは金で動くのが殆どだよ、ハウスボトルだけ飲んで帰る男には用ないんじゃない?」

ミサの言った言葉は、さりげなく私に対する批判が含まれていて、重くず~と響いていました。

 

初めてシンフォニックでマイに会った時に5000円貸してくれて、なんて優しい女なんだろうと思った。
上手な日本語で会話もとても楽しかった。

私はまだ若くて他人とは違う『冒険』をしたかっただけなのだろう。
そしてそれを自慢したく自分勝手な感情が独り歩きして、収集付かなくなっていたのです。

 

先日、健が私に見せた『警告文』を肉声にしたのがミサでした。

 

【未練】
シンフォニックへは行かなくなりました。
たまに、アキからおいでよ~と電話があったけど、眠いだの言って断っていたら電話も来なくなりました。

 

健のお見舞いに行っても、その事はいっさい話さなくなり、看護婦談義に付き合うだけ。
癌も小さくなっているとの事、とりあえず安心しました。

 

私はその時、特に気持ちが落ち込んでいた訳ではなかったけど、最後にマイに逢いたかったな~と、微妙なわだかまりは残っていたのでした。

 

※この心境って一方的な恋愛感情だからこそ増幅してしまい、全く新たな『事』が勃発するまでは続くのでしょう。

 

【ミサからの電話】
「暫くこないじゃん。生きてるの?」
名乗りもしないミサからの電話でした。

「ミサ?仕事も忙しくてさ、あまり飲んでる金ない」
「相変わらず金もってないね?」
「うん、だから悪いけど今日も寝るよ」

「久しぶりに呼び出してやろうと思って電話したんだ。スドー来てるよ」

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(つづく)

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08*日本人『ミサ』の存在

【ミサ】

マイがいなくなりシンフォニックへ来店する頻度は減ったものの、アキ始めフィリピン人達と楽しく過ごしたく常連は続いていました。

フィリピン人達も入れ替わりが激しくお互いを覚える暇もないくらいでしが、逆に新鮮さを感じたのも正直な気持ちでした。

 

そして、系列店からサブマネージャー的な立場の『ミサ』と言う日本人女性がやって来たのです。

たまに私の席につくと言葉が通じ合う者同士仲良くはしますが、あまりにもサバサバと素っ気なく、ズバズバ物事を言うので、他のお客さんを怒らせてしまう事も何度か目撃していました。

 

ミサはマイやフィリピン人達の事を良く知っていて、私の自宅電話番号も教えていてたので暇な時の『呼び出し』もありました。

 

【マイの事】

ある日ミサは辞めたフィリピン人の話題を出してきたのです。

「フィリピン人達って直ぐに悲劇のヒロインっぽくなるし、バックレれて他の店に行っちゃうし扱い辛いよ」

 

こんな内部事情を話す事で、歳の近い私には友達感覚のアピールだったのかも知れません。

 

「マイもそんな感じだった?」

「アイツは一番ダメだよ、金持ちの変なオヤジが時々出て来るはワガママな女だし…」

 

変なオヤジと言うのはアキから聞いた『スドー』という男の事だろう。

 

「そのオヤジとは結婚してるの?」

「そんな訳ないじゃん。マイはフィリピンに旦那いるらしいよ、まぁでも日本での旦那って感じでしょ。どーでもいいよ」

 

フィリピンに旦那?

アキからも聞いた…

 

マイはミサに相当嫌われていたのが分かるし、シンフォニックのフィリピン人達もミサのふてぶてしい態度を良くみてはいないだろう。

 

【スドー】

「そのスドーさんは…」

「…たつ、なんでスドーの事知ってるの?」

酔っていた事もあり、アキに口止めされていた事がつい出てしまった。

 

「あっ、なんとなく風の噂で聞いた…」

と、言うしかなかった。

「アキに聞いたんでしょ。アイツもベラベラ喋るデブだから」

「いやいや、ここでフィリピン人達が話してるを聞いただけだよ」

「もういいよ、もう辞めたフィリピン女は知らないし」

 

酔った勢いの『事故』とは言え、アキとの約束を破ってしまった事に負い目を感じてしまったが、ミサは全て知っている様子だったので、どうでも良い事で済ませてくれた。

 

逆に私はミサからもっと聞き出してやろうと話の進め方を変えました。

「ミサ。色々と教えて?マイの事。俺、今日はまだいるし飲みたいの飲んでいいから」

と情報を『買う』事に決めたのです。

遠くからのアキの視線を気にしながら、マイの事を聞き出しました。

 

【マイに対する私の疑問点】

1:フィリピンに旦那はいたけど現在は離婚してるって聞いたけど?

 

2:スドーさんて何者?

 

【マイに対するミサの回答】

1:フィリピンでは法律上離婚はありえない、但し結婚を無効にする裁判を起こす事ができれば可能。それには莫大な金がかかる。

おそらく離婚も金次第。

 

2:スドーは長野県のフィリピン人女性を全国に送り出すブローカー、長野に在住していたマイと東京に来て、マイをシンフォニック系列に紹介した男で、マイを手放す事はしなく、沢山のフィリピン人女性達とも関係を持ち自宅に住まわせる。その為マイとも半同棲なのである。

 

ミサはフィリピン人の事情も詳しく、サブマネージャーに相応しい存在だったのだろう。

 

【ミサの言葉】

「たつ、あんたマイに惚れてんでしょ?やめときなよあんなジャンキー」

「ジャンキーって?」

「ジャンキーだよ、意味知らないの…」

「いや分かるけど、マイが?何で?」

「だから、やめとけって」

 「俺だって、ここの店の女に惚れた訳じゃないけど、ただフィリピン人の事よく知らないから知りたいだけ」

と本心では無いが、カラーが違う事を主張した。

 

ジャンキー【junkie】 

麻薬常用者。転じて、何かに病み付きになっている人。
(※大辞林 第三版の解説)

出典:ジャンキーとは - コトバンク

 

当然の事ながらミサの情報は、アキよりもニュアンスがしっかりと理解できた。

だからと言って、そう簡単にマイへの気持ちが消沈した訳ではなく、最終的には当人と答え合わせをしなければ、納得ができなかったのです。

 

さあ、どうやってマイを探そうか?

 

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(つづく)

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